最近になって諦めなければならないモノの幾つかが見えてきたような気がする。
そして同時に「手に入れることのできたかもしれなかった将来」に対して反実仮想的な寂寥感を抱かずにはいられないでいる。


どうしてこうも生きにくいのだろうかと考える。
僕のできないことは、他の誰かがうまくこなしてくれる。僕のできることは、他の誰かがよりうまくこなしてくれる。
それでもなお上を目指す人、必要としてくれる人の間でそれなりに生きる人、結局誰からも必要とされない人、何も考えていない人。


ありふれた人間のありふれた悩み。
僕もまた凡庸な人間のひとりである、ただそれだけのことなのだけれど、少し寂しい。
でもそういうものなんだろうとも思う。


あるモノを諦めて別の何かを選び取る。
すべてのモノを掬い上げる必要はない。
自分の欲求に素直になった先に現れるであろう何かに期待してみよう。
空からカエルが降ることを期待してみよう。
屍となった未来に押しつぶされてしまわないように。