夏休み友人が家族でフィンランドへ旅行に行く。彼女はもう他に行きたい国がなかったのか、北欧的な音楽やらに惹かれたのか、所さんのダーツの旅・世界地図バージョン的なことをした結果なのか、いやたぶん白夜をみたいからだろうが、まぁとにかくフィンランドに行くそうだ。フィンランドの夏は涼しそうでうらやましい限りである。彼女にはフィンランドに行くなら、スウェーデン語を勉強するように勧めておいた。フィンランドは歴史的にスウェーデン領であったから、スウェーデン語も広く通じるはずだし、なによりスウェーデン語はインド・ヨーロッパ語族に属するからウラル語族に属するフィンランド語よりは学びやすいうえ、ノルウェーの一部でも通じるなど話者数が多いはずだからだ。もちろん彼女は変な顔をしていたし、もちろん冗談もつもりだ。英語が通じる。
たしかフィンランドは一年の半分が冬に分類され薄暗く、そして夏はわずか3か月ほどしかない。ヘルシンキのような比較的南にある都市はまだしも、北極圏に近い地域における暮らしはきっと楽なものではないだろう。ただ、夏の間は太陽が沈まない白夜という現象が起きる。白夜はきっと僕らで言うところの蝉や花火などの夏の象徴であり、長く厳しい冬が明けた後の3か月は、太陽に感謝せずにはいられないだろう。朝起きた時にちょうど夜が明けようと、陽の光が東の空でくすぶっている様子を見ると、僕は陽の光に感謝せずにはいられない。屋上に上って、そのわずかな奇跡的光景をいつまでも見ていたくなる。最近は5時前には陽が昇る。ただ、あまり日が高くなりすぎると暑くて死にそうになるので日中は自粛してもらいたいが。