ここ数日はプレゼンの準備で忙しかったので、昨日発表を終えて再びまったりとした生活に戻る。担当の教官から与えられた論文を読み、学科のメンバーにその内容を紹介するというゼミのような授業。大学に入ってからあまりゼミ形式の授業をとったことがない。それは積極的に避けていたからというよりは、意欲がわかなかったからだ。勉強になるなる。ただ慣れていないせいか、言葉がうまくでないうえ、やたらと喉が渇く。ひどい。パワポはYがいつの間にか作っていて、結局そのパワポを少しばかり修正ただけで、僕はたいした仕事をしていない。これもひどい。感謝。今までnon-coding RNAと考えられていた、短いORFをもつゲノム領域が、実は生物にとって重要な意味をもち、このような小さな領域はゲノム上に無数に存在するというもの。長いORF領域が自然に生じる確率は非常に低く、その領域が存在するということは、その領域が進化的に保存された配列であるということを示唆している。だが短いORFもまた重要であるということは、遺伝子解析を同定する際の基準を再考する必要があるということになる。しかもその短いORF領域から転写されたmRNAではなく翻訳されたペプチドが作用しており、さらにこのペプチドにはnon-cell autonomously(細胞非自律性と訳すのか?)あるとのこと。ヒトゲノム計画でヒトは案外シンプルに構成されているといわれた時期、実はそうではないよという時期を通り越して、さらに複雑な様相を呈してきたような気がする。これが発表されたのが今年の5月だからまた進展があるかもしれない。
Small peptide regulators of actin-based cell morphogenesis encoded by a polycistronic mRNA | Nature Cell Biology
大学の並木道は見事に黄色一色で覆われており、きれいだったので歩きながら振り返り、何度か見返してしまった。さすがに携帯を取り出して写真を撮ろうとは思わなかったが、授業から帰ると落ち葉は一箇所に集められてゴミ袋に入れられようとしているところで、箒では取ることができなかったのであろう、踏まれて細かくなった葉の一片が所々に落ちているだけだった。裸になった木々とむき出しになった石畳とあいまって何か寒々しかった。