「神様」はなんの前触れも無く、突然姿を消してしまった。今までずっとそこにあったものだから、てっきりこれからもずっとそこにあるだろう、と安易に考えていたのが大間違いだった。早く自分の手の中に収めておくべきだったのかもしれない。ただそんな後悔の念も来月、来週、いやきっと明日の朝になれば、そのほとんどが失われている。消えてしまってからその重大さに気づき、差分をとることでしか認識できない上、明日になれば忘れてしまう、その程度のものだったのだろうか。