朝早く起きようという昨夜の僕の思惑とは裏腹に、それはいつものことではあるのだけれど、家を出る頃には昼を過ぎていた。12月の下旬だと言うのに陽だまりに入ると温かく、数日前に散った銀杏の葉は未だ道路の上で黄色に乾いていた。幾枚も重なるそのふわふわとした感触は靴底を通して僕に伝わった。しっかりと防寒対策をした自分が馬鹿らしく、自分がひどく場違いなところにいるような気がした。いっそのこと雪でも降ってしまえばいいのに、そんなふうに思った後で、少し思い直して晴れ渡った空に感謝するフリをした。