昨晩,突然の雨に見舞われたため,自転車を駅の駐輪場に置いてきてしまった.わざわざ取りに向かうのも面倒だったので,歩いて買い物に出かける.五月だというのに歩いているだけで,汗ばむ陽気で,紫外線の照射によって,僕の皮膚は少しずつ癌になる確率を高めているかと思うと,一刻も早く屋内に逃げ込むべきであるようにも感じられたが,きれいに磨かれたガラス玉のような街の様子を見ると,それはどうでもよいことに思えた.僕は陽の当たる長くまっすぐなコンクリートの上を,意識的に歩調を遅くして歩いている.